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日々の暢気眼鏡

日々の出来事を針小棒大に語る

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2025/05/06(Tue)12:44

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端くれとして

2008/06/05(Thu)12:39

いつもの専門ガッコで授業してた時のことだ。


お話をしたり、問診表を書いてもらうことのほかに、直接観察することからもたくさんの情報が得られるよ、という例として、毎年「シャーロック・ホームズ」の話をする。

ホームズは初対面の相手を瞬時に観察し、その特徴から人となりや過去のこと、果ては相手の相談事までズバリと当て、来談者を煙に巻くことがある。
驚く相手に「いや、気にしないで下さい」と言って余計気にならせたりして憎いやつだよコンチクショウ、なのですが、そういった人の悪さも大好きなところだったりする。

そう、別に例としてはほかに色々あるのになぜわざわざホームズか、と言えば何のことはない。
私が好きだからである。
超絶なマニアに冠せられる「シャーロキアン」を名乗るほどではないが、いつかはロンドンのベーカーストリートの221Bを訪ねてみたいと思っている程度のファンではある。

いやまあ、その手口のモデルとなった実在の人物が、作者のコナン・ドイル氏が医者の卵だったころ指導を受けたお医者さんだって辺りでまったくの無関係と言うわけではないのだけど。


話がそれた。

で、先日も観察の大切さの例として、ホームズの話をしてみた。


「シャーロック・ホームズ、皆さんご存知ですよね?彼が作中よくやっていたように、目に見える範囲からもたくさんのことが・・・」

みなさん、「あー、そんなのあったよね」って顔して聞いてらっしゃるのだが、一人だけ、挙動が変なのがいた。
キョロキョロと周囲を見渡し、後ろの席の生徒にボソボソと話しかけていたりする。
あれ?

「どうしました?」
「いや、ええっと、あのー」
「・・・もしかして、ご存じない?」
「はあ・・・・」
「なんと!」


ええ?マジで?って顔して彼女を見る学生さんたち。
20年近く生きてきたら、かならずどっかで名前ぐらい聞いていそうなもんだけど。
だって、アレだぜ?世界中で、聖書に次ぐ出版数を誇ってるらしいぜ?イスラム圏はどうなのかしらんけど。
どんな生活してたら、ホームズの名を知らずにそこまで過ごせるのか。

さて、困った。
どう説明したもんだか。
明らかに、私とは違う文化圏(大げさ)で人生歩んできている人だ。
小難しいこと言っても通じなさそうだし。




「・・・コナンくんの、遠い遠い、ご先祖様です」
「はあ」
「探偵、わかりますね?浮気調査とかしてるヤツじゃなくて、誰にも解けない事件の謎を、鮮やかに解決してみせるようなヤツ。そのスタイルの、一番初めの人です!厳密に言うと、他にもいなくはないのですが、われわれの知る『探偵』というもののスタイルを確立したのがシャーロック・ホームズで、そのずーっとずーっと子孫にあたるのが、金田一くんだったり、コナンくんだったりするのです!」
「ああ!」

金田一くん辺りで、やっと理解してくれたらしい。

ホームズ先生!
あたしゃ、ちっとは先生の名を知らしめるお手伝いができましたでしょうか。

願わくば、彼女が「子孫」という言葉を勘違いして、本当に血のつながった子孫だと思いませんように。

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No.268|講師仕事Comment(0)Trackback()

お名刺拝見

2008/05/26(Mon)23:34

日曜日のこと。

市内某所で、保育士さんの国試対策の授業をしてきた。
授業は滞りなく終了。
「質問のある方はどーぞ」
と言っても大抵はどなたもいらっしゃらないのだけど、少し遅れていらした方が、その間にどんな話をしたのかを聞きにきた。

おおう、真剣な方であるなあと思い、ご説明しました。
もちろん、簡単に、ですが。

一通り説明したところで、
「あの・・・もしも、なんですけど」
「はいはい?」
「親御さんの中には、お子さんの、今日の話に出てきたような・・・発達のことで悩んでる方がいらっしゃると思うんです。そうした方のご相談に、先生の方でのっていただくということは可能なんでしょうか?」
「えーと、診断、ということであれば、やはりお医者さんしかできないことですし・・・どなたか身近な方で、悩んでいる方がいらっしゃるのですか?」
「いえ、そういうわけではないんですけど」

うーん。
今ひとつ意図が見えてこない。

「何かこういった分野のことで相談したいことがあったら、先生の方に連絡させていただいてよろしいでしょうか?」

「うーん、ええと、ワタシ開業してるわけではないのでお恥ずかしいのですが・・・。何かお手伝いできそうなことがありましたら、こちらに連絡ください」

と名刺をお渡ししました。
連絡先が書いてあるだけの、シンプルなものですが。

「あ、すいません、私ったら。自分の方はお渡しもしないで」

カバンから名刺入れを取り出し、一枚下さる。
見てびっくり。
結構、てか私が知ってるぐらいだからかなりの大手の幼稚園の、とっても偉い方でした。

「ええ!?」

思わず声が。

「お恥ずかしいのですが、今からでも取ろうと思いまして」

そっかー。
とっても大きい団体がバックについてる(って書くとヤクザみてえ)ところだから、資格の有無と立場ってのは必ずしもセットではないのですねぇ。

新しいお仕事につながるとええのう。

No.263|講師仕事Comment(0)Trackback()

ネタバレ

2008/05/21(Wed)23:30

会議出席のため一週休ませてもらった専門ガッコへ授業に行った。


「こんちわー」

「あ、センセイ、実は今日、センセイの授業中に避難訓練やるんですよ」

「はあ」

「ですから、いつもの終了時刻より、少し早くなってしまうのですが・・・」

「あい了解。ええと、避難誘導とかはワタシがしなくても・・・」

「はい、代表の学生が」

「あい」


階段をえっちらおっちら上って教室へ。


「えーと、皆様ご無沙汰でした。今日は避難訓練あるんですってね」

きょとん、とする学生さんたち。
あら?もしかして、抜き打ちでやる予定だったのかも。

「あら?誰も、そんな話聞いてない?・・・・・えーと。・・・・・今の、ウソです。気にしないでください」

失笑する学生さんたち。



避難訓練を無事終え、校舎に戻る途中とある学生さんに声をかけられる。

「お疲れ様でした!」
「あー、うん・・・」
「?どうしたんスか?」
「いや、さあ、オレ、最初に言っちゃったじゃん。訓練あるって」
「ああ、まあ」
「もし言わないでいたら、サイレン鳴ったときとか、もっとみんな楽しめたんじゃないかなあ、とか思って」
「そんなこと気にしてたんスか!?」

呆れられてしまった。

年に1回のことだしさ、予想もしてないとこで急に非常ベルがなったときの驚きってめったに味わえるものじゃないじゃないですか。ある種の「初物の楽しみ」であるわけですよ。それをぶち壊しにしてしまったってのは、実に無粋であるなあ、と手前ェの思慮の浅さにガッカリするわけですよ。

だってさ、非常ベルなってんのに、みんな授業の最後でかならずやる確認テストをずーっとやってんだぜ?「火事です、火事です」って放送流れてるのに、黙々と回答し続けるなんてどんだけ勉強好きなんだ。

昨年度教えてた学生さんたちにも少し会えたのでうれしかったな。
気が向いたら、呑みにでもゆきたいものですな。
何人か姿が見えないのもいたけど、ちゃんとガッコ来てんのかね。
まあ、オレなんぞが心配しても何にもなりませぬが。

No.259|講師仕事Comment(0)Trackback()

だったら言うなよ

2008/05/10(Sat)20:02

いつもお世話になってる総合予備校(?)の担当者から電話があった。

日程そのほかの打ち合わせをし終える。
やあ危ない。全く日程入れてないスケジュールあったよ。


「それでですね、センセイ」
「はい」
「去年の受講者の方が、合格されたということでご挨拶に見えましてね」
「はあ」

ヤな予感。

「センセイはすごく熱心に教えてくださるし、真面目な人柄だってよく伝わったんですけども」
「はっ」
「どうもこう、話してることが難しすぎて、勉強するの大変だったっておっしゃってたんですよ」
「・・・それは申し訳ありません」
「いえ、その方に『早速お伝えしておきます』って申し上げたら、『伝えないでくれ』って言われてたんですけどね」

だったら言うなよ。

「今後もう少し、噛み砕いて、リラックスできる雰囲気でお願いできたらと」
「あ、ハイ、気をつけます・・・」



結構噛み砕いて説明してるつもりなんだけどなあ。
まだ足りねえか。
うーん、一所懸命、ゲージ使ってまでやってる解説が、近寄り難いとか硬い雰囲気と取られてるのかと思うと凹みますな!
もっとウスノロ向けをご所望か!
ンな覚悟で福祉の現場に立とうとは、片腹痛いわ!
と自分を鼓舞してみる。


学生さんと比べると、例えば精神力のゲージの長さなんかが全然違うのかなあ。
それなりに下げてるつもりでも、聞いてる方には「ハードル高すぎ!」と思われてるってことだもんな。
アタシ程度なんて、所詮座学レベル、畳の上の水練レベルなんだけどなあ。
最前線で実践と研究を重ねてる人なんて、ンなモンじゃないぜい?

No.250|講師仕事Comment(0)Trackback()

コスト

2008/05/09(Fri)00:46

いつも行っている専門ガッコで、卒業生向けの授業の依頼を受けた。

彼ら彼女らに教えてた科目2科目を、来月冒頭の週末、半日かけてイッキに。
教えきれるか不安ではあるけれど、まあせいぜい頑張るさー。


ちょっと面白かったのが、その依頼をしてくださった専任講師の方。
この春からいらした方なのだが、そこそこいい歳(失礼)だと思えるのだが、妙にキャピキャピしてた。

「うわ~、お引き受けいただけるんですかぁ!ありがとうございます~!」

「はあ」

「センセイのお噂はかねがね伺っておりまして(中略)、生徒の評判も(以下略)」

ええと、この方と挨拶以外の言葉を交わすのは初めてなんですけど、何でしょう、この妙なノリ。何かの営業さん?いまどき学生だってンなノリ方しませんですぜい。
笑いを噛み殺すのに結構苦労した。



在学生向けの国試対策の授業も、担当してる科目だけ単発で、お引き受けした。
その依頼は別の、そのクラスの担任の専任講師の方からだったのだけど、

「急な話で大変申し訳ありませんが、お引き受けいただけますでしょうか?」

「へい、お仕事頂けるんならナンデモやります。先約もございませんし」

「はっ!それはそれは、誠にありがとうございます!!」

私のへなちょこな返事にも、ちょっとどうしたのか心配になるほどの最敬礼。




今になって考えてみると、もしかしてアタシが怒ってると思われていたんではなかろうか。

確かに今年度から1教科外されてるし、よりによってそれはアタシの専門科目で確かに正直凹んでいるけれど。もう一科目非常勤講師として働いてはいるけれども多分次年度は同様に無くなるだろうから、気合の入らないこと甚だしい。多分、客観的に見てもあまり力の入った仕事をしてないと思う。

職員室にもあまり長く滞在することも無くなったし、挨拶以外誰とも口をきかないことも多い。
冗談を振られても、前ほど丁寧に返さなくなったし。

怒ってるってより、
「あー、もうすぐ切られるんだなあ。じゃああんまり色んなコスト(時間や労力、気力など)かけても仕方ないな、別なとこの仕事に振り向けよう」
とか考えてただけなんですけど。

担当科目がひとつ減らされることが確定したときに「国試対策の授業、依頼するから!」って言われたのも、せいぜい話半分でしか受け取ってなかったからなあ。ホントに依頼されるとは思ってもみなかった。


親しい人からは時折
「黙ってるとすごく不機嫌そう」
とか言われることがあるぐらいだから、そういうことだったのかも。

末端の、非常勤講師ごときの機嫌を取るほど暇でもないんだろうけど。

んー。

No.247|講師仕事Comment(0)Trackback()