土曜の研修会。
稽古が終って家に帰って、焼きそばでも食うか、と思ってたらメールが。
「もう始まるけど、まだ着かないの?」
今日初めてこの研修会に参加するSくんからである。
あー、あたしゃ不真面目なんで開始時間と同時に行った試しがないのですよ。
今回はお話を聞くだけ。
無駄ではないんだろうけど、イマイチ必死になれてない。同じような経験年数の人の話を聞いても、あんまり一般化できる情報って無いんだよね。ああ、なるほど、そうしたんですか、ふむふむ、いやまあ、おんなじ状況なら私も同じようにすると思いますよ、ってな感じで。
終了後、Sくんになじられる。
「信じらんない。遅れるって言うから、十分かそこらかと思ったら、何時間遅れてるんですか」
えーと。
自分の見方だけが全てじゃないんだぞう、いい若いもんが手前ぇの枠組みだけで世界を見てんじゃねえぞ、と心のうちだけでつぶやく。
「じゃ、懇親会の申し込み忘れたから、帰るね!」
「何言ってるんですか待ちなさいよ今からでも入れますよきっと言ってみなさいよさあ早く」
ええと、もしかして、怒ってますか?
聞いてみたら、キャンセルが出たからたぶん大丈夫とのこと。
んー、偉いさんで一人、顔も見たくない人がいるから気乗りしないんだけどなあ。
近くの居酒屋へ移動。
個室になった会場に入る直前、幹事の方がすまなそうな顔でこちらへ。
「ええとですね、実はコース料理を頼んでたんですけど、追加の人のは用意できないんで、個別に食べたい物を頼んでいただく、ということになってしまうんですが・・・」
ありゃ、キャンセルの人のは回してもらえないのか。
んー。
そこまでして参加したい場じゃないし。
「じゃ、帰ります!」
「いやいや、そんなこと言わず!」
たちまち数人に取り囲まれる。
ああ、研修会の世話役の人たちだ。この人たちには何の恨みもねえんだけどな。
みんな、いい人そうだし。
「いやいや、ご面倒をおかけしてもアレなんで!」
にじり足で、出口の方向へ。
「何言ってんの、来なさいよ」
姉御肌の方まで。だんだん包囲網が狭まってくる。
「ここまで来て、帰るなんて!」
出口をふさぐように立ちふさがる、背の高い男性。この人、自分の身体の大きさが、どれだけ他人にプレッシャーかけるのか、気づいてんのかな?
少なくとも、私は怖い。
・・・思わず技が発動するぐらいには。
目の高さに、進路を遮るように差し渡された腕がだんだん近づいてくる。
ダッキングで躱すこともできたけど、昼間の稽古の残り火がくすぶってたのか、身体は攻撃を選んだ。
人差指と親指の間の部分(こばって言うらしい)を肘関節の内側に当て、すっと持ち上げる。肘は曲がり、そのまま持ち上がる。可動範囲の問題で、かけられた方は前傾せざるを得ない。
手を手刀に変え、さらに大きく崩せば・・・・ってとこまでは行かず、肘を曲げさせたところですっと道をあけてくれた。本気で逃げようとしてるのが伝わったのかな?それともなんかの使い手とか?
明らかに自分の悪い癖なんだけど、「スイッチ」が入ってるときに不用意に近づかれると、半自動的にものすごい反撃をかまそうとする。近づく方に悪気があろうとなかろうと関係なく、ってとこが拙いかな、と思う。
てかさ、感情が高ぶってる人に不用意に近づくのって危険だと思うんだけどな。
結構平気でそういう状態の人に、つかつかと近寄る人は多い。
それこそ「空気読め」ってとこだと思うけど。みんな、不用心ねえ。
・・・アタシが心配し過ぎですかそうですか。
興奮してる相手に近づいて無事に済むのなんか、ムツゴロウさんぐらいだってーのよ。
あの人の行動をテレビで見て、みんな勘違いしてねえか。
ありゃあの人の特殊能力だぞ、たぶん。
「じゃ、またの機会に!」
と言い残して立ち去る。
Sくんに詫びのメールを入れて、ほっと一息。
会いたくない偉いさん云々は兎も角、なんかこう、イライラにも似た落ちつけなさがあったのですよ。
ここにいちゃいけない、立ち去るべきだ、って。別に声が聞こえるわけじゃござんせんが。
ちょこっと寄り道して、いつもの焼き鳥屋へ。
そこでいつものメンツに加え、オモチロイ人と会いました。
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