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日々の暢気眼鏡

日々の出来事を針小棒大に語る

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2025/05/06(Tue)15:40

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オモチロイ

2008/03/24(Mon)02:25

土曜の研修会。

稽古が終って家に帰って、焼きそばでも食うか、と思ってたらメールが。

「もう始まるけど、まだ着かないの?」
今日初めてこの研修会に参加するSくんからである。
あー、あたしゃ不真面目なんで開始時間と同時に行った試しがないのですよ。


今回はお話を聞くだけ。
無駄ではないんだろうけど、イマイチ必死になれてない。同じような経験年数の人の話を聞いても、あんまり一般化できる情報って無いんだよね。ああ、なるほど、そうしたんですか、ふむふむ、いやまあ、おんなじ状況なら私も同じようにすると思いますよ、ってな感じで。

終了後、Sくんになじられる。
「信じらんない。遅れるって言うから、十分かそこらかと思ったら、何時間遅れてるんですか」
えーと。
自分の見方だけが全てじゃないんだぞう、いい若いもんが手前ぇの枠組みだけで世界を見てんじゃねえぞ、と心のうちだけでつぶやく。
「じゃ、懇親会の申し込み忘れたから、帰るね!」
「何言ってるんですか待ちなさいよ今からでも入れますよきっと言ってみなさいよさあ早く」
ええと、もしかして、怒ってますか?
聞いてみたら、キャンセルが出たからたぶん大丈夫とのこと。
んー、偉いさんで一人、顔も見たくない人がいるから気乗りしないんだけどなあ。

近くの居酒屋へ移動。
個室になった会場に入る直前、幹事の方がすまなそうな顔でこちらへ。
「ええとですね、実はコース料理を頼んでたんですけど、追加の人のは用意できないんで、個別に食べたい物を頼んでいただく、ということになってしまうんですが・・・」
ありゃ、キャンセルの人のは回してもらえないのか。
んー。
そこまでして参加したい場じゃないし。
「じゃ、帰ります!」
「いやいや、そんなこと言わず!」
たちまち数人に取り囲まれる。
ああ、研修会の世話役の人たちだ。この人たちには何の恨みもねえんだけどな。
みんな、いい人そうだし。

「いやいや、ご面倒をおかけしてもアレなんで!」
にじり足で、出口の方向へ。
「何言ってんの、来なさいよ」
姉御肌の方まで。だんだん包囲網が狭まってくる。
「ここまで来て、帰るなんて!」
出口をふさぐように立ちふさがる、背の高い男性。この人、自分の身体の大きさが、どれだけ他人にプレッシャーかけるのか、気づいてんのかな?
少なくとも、私は怖い。

・・・思わず技が発動するぐらいには。

目の高さに、進路を遮るように差し渡された腕がだんだん近づいてくる。
ダッキングで躱すこともできたけど、昼間の稽古の残り火がくすぶってたのか、身体は攻撃を選んだ。
人差指と親指の間の部分(こばって言うらしい)を肘関節の内側に当て、すっと持ち上げる。肘は曲がり、そのまま持ち上がる。可動範囲の問題で、かけられた方は前傾せざるを得ない。
手を手刀に変え、さらに大きく崩せば・・・・ってとこまでは行かず、肘を曲げさせたところですっと道をあけてくれた。本気で逃げようとしてるのが伝わったのかな?それともなんかの使い手とか?

明らかに自分の悪い癖なんだけど、「スイッチ」が入ってるときに不用意に近づかれると、半自動的にものすごい反撃をかまそうとする。近づく方に悪気があろうとなかろうと関係なく、ってとこが拙いかな、と思う。

てかさ、感情が高ぶってる人に不用意に近づくのって危険だと思うんだけどな。
結構平気でそういう状態の人に、つかつかと近寄る人は多い。
それこそ「空気読め」ってとこだと思うけど。みんな、不用心ねえ。
・・・アタシが心配し過ぎですかそうですか。

興奮してる相手に近づいて無事に済むのなんか、ムツゴロウさんぐらいだってーのよ。
あの人の行動をテレビで見て、みんな勘違いしてねえか。
ありゃあの人の特殊能力だぞ、たぶん。

「じゃ、またの機会に!」
と言い残して立ち去る。
Sくんに詫びのメールを入れて、ほっと一息。

会いたくない偉いさん云々は兎も角、なんかこう、イライラにも似た落ちつけなさがあったのですよ。
ここにいちゃいけない、立ち去るべきだ、って。別に声が聞こえるわけじゃござんせんが。

ちょこっと寄り道して、いつもの焼き鳥屋へ。

そこでいつものメンツに加え、オモチロイ人と会いました。

今日もお仕事ですか、いや今日は研修会、とマスターとのやり取りの後、ぼーっと呑む。

しっかり呑むつもりで、焼酎のミニボトルを頼む。
マスターが携帯をちょこちょこいじってるのが見える。
メールマガジンを発行し始めて以来、電話じゃなくてメールで持ち帰りの注文が来たりして、結構油断がならないとか。

ふーん、まあ気づかれないとアレだけど、文書(データ)が残るから、言った言わないのトラブルは避けられるかもね、とか思う。ンなトラブル滅多にないだろうけど。


「はい、いらっしゃーい!」
「いらっしゃいませー」
「毎度さまでーす」

マスターと奥さんとバイトのMちゃんの声。あー、また新しいお客さんがいらしたのね。
商売繁盛、めでたいことです。
自分が入店した時に他の客から見られるのが嫌なので、自分では新しく入ってきた人を極力見ないようにしている。まあ変な人が入ってきて対応が遅れると拙いので、怪しい気配はないか探るぐらいはするけど。

でかい。
でかい塊が入ってくる。
でかいくせに、移動の音が小さい。
う、近くに座った。

何者だ?と店員さんたちの様子をうかがうと、みんなニコニコしてる。
と言うことは・・・
「うを、M野さん!久し振り!!」
よくこの店で会い、親しく話をするようになったM野氏である。
確かにこの人ならでかいし、空手使いなせいか、移動する気配が思いのほか小さい。
なるほどね。
ちなみにM野氏、私の中学時代の同級生の女の子のお兄さんである。話をするようになってしばらくしてからわかってビックリしたものである。

最近、M野氏はご結婚が決まったとのことで、トンと店に顔を出さなくなってしまっていたのだが、今日はたまたま婚約者さんがおらず、それを知ってたマスターがどうやら先ほどメールして呼び出したらしい。
いや久し振り。
ぎゃあぎゃあ騒いでいる(迷惑な客)と背後のボックス席から聞き覚えのある声が。

「あれ!M野さん。あれ?のんT(私のことだ)も!」
へ?と振り返ると、T氏だった。
某ファストフードチェーンの地域統括(詳しくは知らないけど)のお仕事をされていながら、ヘビィなマニアでもあらせられる方である。

早速三人で並んでかんぱーい。

「そう言えば、のんTにDVD今度持ってくるって話してたんですよね、なんでしたっけ」
とT氏。ええとええと、前回は・・・そうだ。
「あー・・・確か、前回は○クエリオンのテレビ版とOVA版がどう違うか、って話じゃありませんでしたっけ」
・・・そういう、マニアである。いやいや、アタシなんぞ足元にも及びませんがね。

二人でM野氏に絡む。
「あの人はどーしたの?」
「とっくに別れたよ!」
「今までの人とは、何が違うの?」
「うーん・・・価値観が、合うんだよね」
「ええ!色々趣味の生活に不自由されてると風の噂に・・・」
「いやいや、一緒にいると、楽しいのさ」
おっかしいなあ。絶対M野氏は人でなしだと思ってたのに、フツーの答えが返ってくるよ。
いや、M野氏に言わせると、アタシの方が人でなしらしいのですが。

T氏は今日、女性を二人連れて来ていらしてた。
一人は奥方のようだ。
もうおひと方は・・・・?
「あの人ね、占い師なんですよ」

ええっ!
街中で辻占やってる以外の占い師って、初めて間近で見た!
ご両親ともその筋の方らしく、サラブレッドなわけやね、と思った。
T氏曰く、すんごい当たるよ、何も言ってないのに過去にあったこと、当てられるよ。

うう、怖いんですけど。
内臓に黒い影が見えます、とか言われたら泣いちゃうぞ。

振り返ると、いつの間にかマスターの奥さんが見てもらってる。
なんか、すげえ真剣に話を聞いてる。


「さあ、次はのんTの番!」とT氏。
げげ、占いとか、普段はあんまり当てにしてないんだけど。てかむしろ懐疑的で、あのババァお前が地獄に堕ちろ、とか思ってるクチなんですが。

お酒が入っていい気分になり過ぎていたせいか、バッチコーイなノリで、つい席を立って、
「よろしくお願いします!」
と両手を差し出してる私がいたわけですが、見方によっちゃねるとんみたいだな、とか今にして思うわけです。
混乱してますな。

私の両掌を、角度を変えたりしながらしげしげと眺める。

「ははあ・・・・・・・・・・・・」
うう、このタメが怖い。
「面白い相ですね」
聞き耳を立ててる連中が、大笑いする。
「やっぱり変人か!」
うるせい。
「いやいや、大変珍しい手相をされているんですよ」
やっぱり変人か。
掌に向けられた視線が、貫通しそうなほど強く感じられる。訥々と語る口調は、まるで生物学者が生き物の生態を語るかのようだ。情報をまとめ上げて一つの物語として語る姿は、ベテランのカウンセラーみたい。

「あなたは…理屈で深く掘り下げるところと、霊感(インスピレーション)と、なんていうのか…正反対の能力をたくさん持ってますねー」
「マニアって言うか研究者って言うか…普通、そういう人って一つのことしか掘り下げられないものなんですけど…色んなことを掘り下げてますね…。またそういう掘り下げる人って、自分の内に引きこもってしまったりするものなんですけど、それなのに、例えばコミュニケーション能力高いですよね」

あー・・・・。

「あー、二十代ぐらいかなあ。そのころ会った人で、今でも忘れられない人がいますね?最近ちょっと会った人がいるけど…その人と比べるとちょっと…って感じじゃないですか?」

ぎゃあ。
盛り上がる常連一同+店員一同。
「いるのか、そんな人がいるのか!」
「かつていたのか!」
「嘘をつくな!」
アタシにだってそういう話もありますがな。そして、ありましたがな。

「四十、四、五歳かな。そのころ、その「忘れられない」って人に匹敵する人に会えますよ!」
おお、まだ私の人生に、そんな楽しい話がありますか!
「ありますね。あ、もし今付き合ってる方とかいらしたらアレなんですけど」
へー。長生きはするもんだねえ。

「今は、健康面では大丈夫ですね。ただ、マイナスの考えに突っ走っていかないことと、気管支と胃腸に注意したほうがいいですね」
むむ、あたしゃその辺、子供のころから弱かったなー。今は落ち着いてるけど。
てか、マイナスの考えに走りがちですかい、やっぱ。
「そうですね、もともと掘り下げる力が強いから、それがマイナスの方向に行っちゃうと大変ですね」
うへえ。
仕事面はどうでございましょう。食ってけますかね?
「ああ!大丈夫ですよ。ただし、一千万入ってきても、一千万出てくような仕事運ですね。ただ、運が強いから、道は開けるし、たぶん周りの誰かが助けてくれますよ」
ひゃっほう。
いくら出てくとしても、また入ってくるならええわい。
ええと、困った時は皆様助けてプリーズ。
「それから…結構モテますね」
ええっ!マジですかい!
全然実感ないんですが!
もしかして、それは私がおバカであるということですかい?
「それだけに、誘惑に弱いってところも。注意して下さいね」
ニヤリ、と笑われてしまった。
むむう。

見られてる最中、ずっとワクワクと楽しい気分でいられた。
自分のことを語られて、それがまた楽しい気分をかき立てる、って経験は本当に久しぶりだ。
こんな風に面接ができるようになりたいなー。


他の常連さんも、マスターもバイトのMちゃんも見てもらい、それぞれ色々と考えるところがあったらしい。
特にMちゃんは「ああ・・・この中で一番敵に回しちゃいけないタイプ」って言われてショック受けてたみたい。いやもー、あたしゃ大ファンでありますよ?敵になんか廻りませんよ?オホホホ。


久しぶりに、腹の底から大笑いした。
研修会後の懇親会に出てたら、きっとこの場にはいられなかっただろうし、こんなに楽しい気分にはなれなかっただろうと思う。あのとき感じた違和感てのは、きっとこのことだったんだろう。
外れて上手く回らなくなってた部品が、がちゃり、と音をたててはまりなおした感じがする。
「虫の知らせ」にゃあ従っとくべきやね。
いやまあ、どれが本物の「虫の知らせ」なのかは検討の要ありではあるのですが。

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No.218|雑記Comment(0)Trackback()

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