実家からの突然の電話。
最初は、タイヤを冬用に換えたのか、とかそんな話だったのだが、不意に電話の向こうが騒がしくなる。
何者かが受話器を奪い取ったらしい。
「のんたろうちゃーん、帰って来ないのー?」
うを、びっくりした。
姪っ子が遊びに来てるらしい。
-----------------
どうやら、遊びに来てる姪っ子1号(小2)の子守に私を呼び出したいらしい。
2人同時にお相手仕るのは腰が完治していない現在、正直辛い。しかし、どちらか一方なら、少しの時間ぐらいなら、何とかなるのではないか。
まあ、姪っ子と遊んでるのは楽しいってこともありますが。
1号は、どうやら私を倒すべき相手、と認識しているらしい。結構容赦なく、突きや蹴りを浴びせてくる。
とは言え相手は子供。
体重差は50キロを超えるであろう。余程の急所にまともに喰らわなければ、そうそうダメージにはならない。
「ふははははは、効かぬ、効かぬわ!」
「何ィ、だったらこうだ!」
1号は徐々に興奮してきたのか、私の手足やあちこちに、本気で噛みつき始めた。
子供とは言え、噛みつく力はそれなりに強い。一瞬ならともかく、噛みつかれたまま数秒経つと、段々涙が出てくるぐらい痛い。
思わず叫んでしまう私。
「お前は、ジャック・ハンマーか!」
一瞬きょとん、となる、姪っ子1号。そらそうだ。知るわきゃねぇよな。
だがしかし。それに続く言葉に、私は耳を疑った。
「(姪っ子の名前)はねぇ、ジャック・ハンマーの子分なんだ!」
あー、だったら仕方ねぇか。
PR