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日々の暢気眼鏡

日々の出来事を針小棒大に語る

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「迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?/林亮介」

2008/11/23(Sun)01:24

旅先だけど、感想を。

大好きなWizardryを元にした日記スタイルの小説で、元は本当にブログでリアルタイムに書かれていたらしいです。

偶々そのサイトに飛んで、タイトルのダサさ(当時のタイトルは『和風Wizardry純情派』)を鼻で笑いながら読んでみたら面白くって、PDF版をダウンロードして一気に読んで、当時連載が始まったばかり(いや、第1巻ぐらい出てたかな?)のマンガ版も探し出して読んで、剣の握りがおかしい、怪物が怪物に見えない、とかブツクサ言ってたら例によって例のごとく打ち切りになっちゃって、しくしく泣いてたら文庫版の発売ですよ!

発売日前後は久しぶりに連日本屋に通いつめましたよ!ベニ松の「風よ、龍に届いているか」以来ですよ、活字本を真剣に待ちわびたのは!
新刊なのに平積みにしてなかった近所の大型書店の売り場担当者には、猛省を促したい。
検索マッシーンで検索かけても、「迷宮街」でヒットしないってのはどういう了見だ。入力担当者には猛省を(以下略)。
ちなみにマンガ版も、原作者の氏名は入力されてません。なんというぞんざいな扱い。入力担当者(以下略)。

Web版、マンガ版と併せて読むといいな、と思う。
主人公はいるけれど基本的には群像劇で、各々の視点で事象がどう捉えられてるかの違いが面白いし、各版ごとに書き足された部分がより深みを増しているのではないだろうか。
それぞれがそれぞれの事情を抱えてて、それが語られるということは多くの物語では重要人物である証だったりするのだけど、このお話ってば、どれだけ重大な事情があろうとも、よくもまーあっさりと死ぬ。
事情と生存の確率にはなんの因果関係も無い。
そりゃそーだ。
そういうもんだよね。



先日、稽古仲間のAくんに、とあるマンガを貸した。この小説のマンガ版ではない。
同じく稽古仲間のM氏から「読ませてあげたいんだけど」と言われたのもあるけれど、自分としても人に薦めるならこのマンガ、と思ってるので異論は無かった。
渡したとき、Aくんがポツリと言っていた。
「ははあ、のんたろうさんが薦めるということは、人が無駄に大勢死んでいくマンガなんですね」

うむ。

全くもってその通り。
タイトルは書かないけど、死にますな。たくさん。
なんで分かったんだろう、とも思うけど、自分で感じてる以上に、人にはワタクシの人となりが伝わってるんだろうね。


この小説でも人はたくさん死ぬし、もしかすると私の想像で物凄い修正がされているのかもしれないけれど、それでも面白いと思うんだ。
人は必ず死ぬけれど、それに対してどういう態度を取るかってのは千差万別で、この物語に登場する人たちは程度の差こそあれ、みんな真剣に対峙している。真剣に対峙したからって生き残れるわけではないけれど、それでもみんな真剣に全力で生きている。そこがすごく好ましく思えるし、自分はどうかな?と振り返ることもしてしまう。もちろん全然足りないけど。

自分のこの迷宮好きってのはどこから来るんだか良く分からないけど、たぶん、興味を持ったものを探索するのが好きなんだと思う。今やってる仕事のいくつかは、確実にそれが生きてるんじゃないだろうか。

この小説がもっと売れるといいな、と思いつつ。
なんだったらもう2冊ぐらい買って、仕事場にこっそり置いておいて若者に読ませてみようかしら。
うふふ。

 

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No.335|本とマンガと映画Comment(0)Trackback()

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