天井から、ガトゴト、ズズ、と音がする。
上の住人の生活音を聞くのは久しぶりだ。
時折見かける姿は若く、学生なのかもしれないけどカッコいいチャリンコの他に軽の四駆を持ってるあたり、それらしくない。もちろんアパートの古さと安っぽさから言って、お金持ちの坊ちゃんってカンジでもない。
その彼の姿を見かけなくなって、というより真夜中の生活音が聞こえなくなってずいぶん経つ。
ほぼ毎日、3時前後になるとドタン、バタバタ、ドタン、と結構な物音を立ててくださる。
なんだろう、新聞配達でもしてんのかな?
でも、外出してる気配もないし。
いや、気配というか、外出するときは大抵金属製の階段を歩く音がゴンゴンするので丸分かりなのだけど。
そんな物音がしなくなって一月ほどだろうか。
先ほど、久しぶりに帰ってきたようだ。
空気の入れ替えをしているのか、しばらくドタバタしてた。
手前ェの足音がこんなに階下に響いているなんて、きっと彼は夢にも思ってないに違いない。
でなきゃ、現在位置が丸分かりになるような行動は取らんだろう。
こんなことグダグダ書いているが、別に嫌な思いは一切していない。
あー、今日は曇りか、といった程度の感慨、と言えば分かって頂けるだろうか。
起きて仕事してるときには時報代わりだし、一度寝てしまえばその程度の物音で目覚めさせられることなど無い。起きる気が無ければいつまでも寝てられる、というのはある種の特技にならないだろうか。なりませんかそうですか。
留守と言えば、隣の部屋の住人もしばらく帰ってきてないんだよね。
以前も2ヶ月ぐらい留守だったし。
上も隣も、どんな仕事してる人なんだろう。
いやまあ、周りも私の生活の不規則っぷりと出入りする人間の変さに気味悪く思ってんのかもしれんけど。
この部屋を出る前に、その辺の謎が解けるといいなあ。
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