つい先程の話である。
大掃除の一環、というか助走的なつもりで寝床の掃除をしていた。
男所帯にナントカが湧く、の言葉じゃないが、まあ汚い部屋である。
寝床だって例外ではない。
最低限シーツぐらいは換えてはいたが、その気になって見ると酷く汚い。
我ながら、よくもまあこんなとこで寝起きしてたもんだ、と感心しきりである。
思わぬところにゴミがたまっていたりして、いつまでも終わらない。
作業自体は単純なもんだから、手を動かしながら色んなことを考える。
やっぱ掃除はマメにやらなきゃダメだよなー。
いっそのこと、兵隊さんみたいにきちんと決められたスケジュール通りに暮らせばいいのかも。
いやいや、そんな大げさなことしなくても、たまに布団干しときゃこんなとこにまでゴミはたまらないよ。
やっぱ布団を干すってのも大事なんだよなー。
ん?
布団を干す?
布団を干すことの大切さを、どっかで誰かが説いていたよな。
で、それを聞いた時、俺は鼻で嗤ったんだよ。
なんだそりゃ、って。
ああ!思い出した。
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「ウルトラ五つの誓い」だ。
昭和40年代の特撮番組「帰ってきたウルトラマン」の最終回で唐突に語られる言葉である。
たぶん再放送だと思うのだが、どんなすごい言葉が語られるかドキドキしながらTVを観ていた私の耳に入ってきたのはこんな言葉だった。
一つ、はらぺこのまま学校に行かぬこと!
一つ、天気の良い日に布団を干すこと!
一つ、道を歩くときは車に気をつけること!
一つ、他人の力を頼りにしないこと!
一つ、土の上をはだしで走り回って遊ぶこと!
別れのシーンで滂沱の涙とともに叫ばれているこの言葉を、当時のド阿呆の私(今でも、だが)は
「へ?何それ、全然カッコよくない・・・」
と、笑うとこなのか感動するところなのかよく分らず、半笑いの顔して観ていたものであった。
くそう、今見たらいい言葉じゃねえか。
正確な内容が知りたくて検索かけたら、パネルにして飾ってる人もいるってよ。
うん、これって、すごく健康なことだったんだな。
大人にだって、「学校」を「職場」とか読み替えればそのままイケるじゃん。
それがよく分らなかったガキの自分は、頭が悪いってこと以上に、これを当然のこととして疑わないでいられるぐらいに環境を整えてもらえてたんだなあ。
ありがたいことだわ。
取りあえず、布団干し用のスタンドでも買ってこようかしら。
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