定例の稽古後、稽古仲間のM氏と話し込む。
M氏が先日テレビで見たという、馬の話を聞いた。
「馬にもナンバ歩きをする種類がいて、上下動が小さい分乗っていて疲れない。モンゴルの騎馬軍団がとんでもなく強かった理由の一つだ」
ってな話。
「ナンバ歩き」ってのは、歩行時に踏み出す足と同じ側の手が前方に出る歩き方のこと。江戸時代ぐらいまでの日本人が「ナンバ歩き」をしていた、ってのは武術好きの人たちの間では有名な話である。
手と足を交互に振り出す動きに見慣れていると奇妙なカンジはするが、身体をひねらないので和服の裾が乱れにくいという利点がある。
もっとも我々にとって「ナンバ」ってのは身体用法の重要なテーマであって、省力で強力、移動速度とは違う次元での「はやさ」を実現するためなんかには、避けて通れない問題なのだ。
話は広がり、日本とモンゴルの生活文化の違いにも話は及ぶ。
「向こうじゃ、一生水に浸からない人もいるみたいですしね」
「あー、貴重品なんでしょうね」
「日本人は毎日風呂に入る、って話を聞いた向こうのある長老が『日本人は魚なのか』って言ったって」
「あー・・・確かに、そう言われると日本人は水属性かも」
「何ですか属性って」
私がよく遊んでる「ラグナロク」に限った話ではないとおもうのだけど、RPGでは敵モンスターや自身の装備に「属性」が設定されていることがある。
元ネタは古代ギリシャ辺りの「四大元素説」とかだと思う。「陰陽五行説」かも。
ゲームではそれぞれ強弱の相性が設定されており、ゲーム性を高めるのに用いられている。
曰く「火属性の敵は水属性の武器で攻撃するとダメージがでかい」
曰く「敵の属性と同じ属性の防具を身につけていれば、攻撃を無効化できる」
等等。
「へぇ、ラグナロクではどんな属性があるんでしたっけ」
「ええと、地水火風、聖と・・・あとなんだっけ」
「聖の反対の属性は?」
「不死だったかな・・・あ、いや、闇か」
「ふーん」
「日本人が水属性だとすると、モンゴル人はなんですかね。土かな」
「あと風もあるでしょう」
「あー、そんなイメージですね」
「そして、のんたろうさんは『闇』」
「ええええ!?何でですか、って否定できないけど」
「うん、貸してくれるマンガのほとんどが陰鬱で救いが無いから」
「ぎゅっ、むっ。返す言葉もございませぬ」
ええと、最近買ったマンガで、この時持って行かなかったのがあるのですが。
まさにその通りの、可愛らしい絵柄なのに人のココロのどす黒い部分を抉り出して出来具合の微妙なエンターテイメントに仕上げてあるという、えーと、そんなマンガがあったんですが。
うん、持ってかなくて良かったかも。
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