聞いた話だ。
あらすじを先に言ってしまえば、よくある(でーぶい)話。
男が暴言、暴力、脅しを衝動的に行い、女がそれを一身に受ける。
男のほうが何を言ってたかの情報は手元に無いが、女の方はこう言ってたそうだ。
「あとでちゃんと謝ってくれるの。やさしいのよ、ホントは」
「あたしが悪いの」
うわ、典型的な(でーぶい)話じゃん。
そんな野郎、さっさと吊るしちまえ。
はい、このお話、終ー了ー。
で片付けてもいいんだけど。
長くなったんで以下折りたたみ。
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問題は、この二人がまだ高校生である、ってとこにある。
しかも、結構な進学校での話なのである。
学校の中の、周囲に大勢の人目がある状態であっても罵声を浴びせる、直接の暴力こそ無いらしいが壁や椅子など周囲の物を殴る蹴る、奥襟つかんで引きずるように連れ去る等等。
もちろん、これは伝聞情報でしかない。
その状況を見ていた級友が伝えたところを人づてに聞いただけなので、「私の頭の中にしか存在しない」ってヤツかもしらん。まあそれならそれでいいんだけど。
そんなのを見せつけられてる方は、当たり前だけど恐怖を感じる。
そんなの、オレだって怖いよ。
自分に向けられた悪意や暴力なら、怖いけどどうにかしようと思うし、色々工夫もするけれど。
他人に向けられたそれらを、どうにかするってのは難しすぎる。
以前とあるラノベの登場人物であるところの”部長”が言ってたように、
「『助けて』と言ってくれれば、僕は全力で君を助ける!」
ってのはまあ分かりやすいんだけど、ご当人たちは困った顔しながらも、決して助けを求めようとはしない。そうこうしている間に、周囲にはうっすらとした不愉快さや不安、恐怖が降り積もっていく。決定的な瞬間が訪れるか、時間切れのその日まで。
(でーぶい)的な関係ってのは繰り返され易いらしい。
どこで読んだか忘れたけど、危機的状況にある時に出る脳内物質がもたらす快楽を忘れられないとかどうとか。あー、脳内物質持ち出されたらかなわんな、と思った。力業以外のアプローチはあんまり効果なさそう。
たぶん、カルト教団から抜けさせるのと同様、助けたいと思ってる人の並外れた根気しかねえんだろうな。
いやまあ、もしかしたら何か新しいアプローチが開発されてるのかも知れんけど。
その場に自分が居たら、どうするだろうか。
ええと、ありえない話ですが、今の自分と同じ知識と記憶とその他能力を持ち合わせたままで、同級生だって設定で。・・・書いてて阿呆か、と思ったけど。まあ空想のお遊び、ってとこで。
1)縁を切る。
友達づきあいをやめたとしても、目の前でンなの見せつけられる状況は変わらないんだよな。
2)先生に言う。
この辺が妥当なのかなー。
てか、今回聞いた話の中に教員の姿が全く無いんだけど、指導とかしないのかな?
おそらく指導する機会としては、今が最後なんじゃないかな、と思う。進学校だからおそらくみんな大学に行くんだろうけど、普通の大学は学業以外の指導はしないだろうから。
指導の理由なんざ、常識とか雰囲気が悪くなるとかでいいじゃん。
進学校なだけに、教科指導は得意でも、生活指導は苦手な先生多いのかな?
3)絡んでみる
「キミらのその関係、見てて不愉快なんですけど」とか絡んでみる。
「ウルセー、お前に関係あんのかすっこんでろ!」
とか言ってくるだろうから、JoJoの第2部ばりに「お前は次に、~と言う」と被せてやるのも手でしょうが、
「見えるところでやってんのが不愉快だっつーんだわかんねーのかばーかばーか」とか、
「その言葉、そっくりあんたにお返ししますわよ関係ないから他所でやれって言ってんだよばーかばーか」とか
言って差し上げるのもまた一興。絶句した相手に「大事なことだから2回言ってあげましたばーかばーか」と追い討ちをかけるのも忘れずに。
おそらくブン殴られると思うので、そいつの戦力分析と逃げ切れる距離は十分測っておくべきでしょう。
ああ、傷害かなんかで届け出て、学歴剥奪してやるのもいいかもー。
4)記録する
どうせ周りにいる連中みんなステキケータイをお持ちなのでしょうから、一斉に写メだの動画だので記録してやればいいのです。証拠にもなるし。
(でーぶい)って本来家の中だとかの密室で行われているものなのに、学校のような人目のある場所でやっちゃうってのはどういうことなのかと考えてみると、「バスや電車の中で化粧する人」と根っこは同じなんじゃないかなと思うのですよ。あの、公共の場と私的な場の区別がついてない人がいる、ってヤツです。
それがどんな原因で起きている現象なのかは存じませんが、まあ人目を気にしてないってことは間違いないので、だったら意識させてやりましょう、って話です。
盗撮防止に、ケータイのカメラは必ず作動音がするようになってるらしいです。多少オツムが沸騰していても、周囲から一斉にその音が聞こえてくれば、ちっとは我に返るんじゃないのかなあと。
もちろんブチ切れて殴りかかってくるかもしれませんから、闘争の準備は忘れずに。違う、逃走だ。
数人がかりで撮ってりゃ全員からメモリカード奪い取るのは難しいしね!
この(でーぶい)カップルが、こいつらだけの特殊な例なら笑い話で済むんだけどさ。
この話を教えてくれた人に聞いたら、最近似たような話は増えてるんだとさ。
研修会なんかでテーマになるぐらい。「デートレ○○」とかと同列に、深刻に検討されてるんだとか。
学生さんは大変だなー。
関係ないかも知れないけど。
ここ数年の変化で、個人的に気になってることがある。
お互いの呼び方だ。
私が見かける範囲の、だけど。
中学生が同じ中学生に呼びかけるとき、特に男子が女子を呼ぶとき。
ある年を境に、苗字ではなく名前で呼ぶやつが急に増えてきた。
別に付き合ってる関係でもないのに、だ。
てか、今はみんな名前で呼んでるし、呼ばれたほうも特に気にしてる様子がない。
ええと。
もしも自分の娘が躾のなってないような小僧に名前で呼び捨てされてたとしたら、首根っこ引っこ抜いた上で「どういうご関係?」って聞いちゃうと思うんだけど生首はしゃべりませんねそうですね。
初めに気がついたのが塾で、阿呆でボンクラな男子がめっちゃめちゃできる良い子な女子に対して言ってたところだったんで印象が悪いのかもしれませんが。
「え、ナニこの二人付き合ってんの?」
「ありえないだろどんな珍獣好きなんだ?」
「あれ、別にそういうわけでもないのか?単にコイツ(男子)が無礼者なの?」
「えー、他の生徒も先生方も、特に気にしてない?」
とか何とか、頭の中でぐるぐるしてましたが。
ちなみに、女子は男子の苗字呼び捨て。
いつの間に、そんなフランクな呼びかけ方が一般化したの?
てか、オレが気がついてないだけで、ここってアメリカなの?
少なくともさ、アタクシが心理屋として勉強してきた中では、相手が誰であっても苗字に敬称つけて呼べ、ってなってたんだけどねー。
そういえばとあるクリニックでお仕事させてもらってたとき、
「のんたろうさんの呼び方は堅苦しい」
って言われたことあったなあ。
当時はナニ言ってんだこの人は、ちゃんと勉強してねえんじゃないの、とか思ったけど結局そこはワタクシの方が首を切られた訳だし、向こうのほうが正しかったということなのだろう。つまりあのときから既にここはフランクに名前を呼び合うという文化を持つアメリカだったんだよ!
そういった阿呆話は置いておいて。
野郎がカノジョを何でも言うこと聞いてくれるママンと勘違いするってのはよくある話だけど。
この手の話も器にあまるような親しい関係を築こうとして、大失敗をし続けているってことなのかな、と思う。
私と一緒にこの話を聞いていた人が言ってた、
「携帯とかネットとかで、『お付き合いをしなきゃいけない』『付き合ってたらこうしなきゃいけない』って情報に晒され過ぎちゃって、無理してやるからこんなことになるのかも知れませんねえ」
って言葉が印象に残った。
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