「せんせー、聞ーてよ!」
「はい、聞いてますよ」
「ウチの担任、ムカつくの!」
「はあ、そうですか」
「ちょっと、真面目に聞いてる?」
「聞いてますよ、話の内容にふさわしい程度には」
「ナニそれ!まあいいや、聞いてよ!」
「はいはい、聞いてますよ」
「ハイは一回!」
「へいへい」
「もー!ウチの担任、ムカつくのさ!」
「まあ、好き嫌いはしゃーないわね」
「ひいきするのさ!」
「へぇ」
「それにさ、態度が一々ムカつくの!」
「どんな?」
「クラスがうるさいとするじゃない?『静かにしろ』って言えばいいのに、口のトコに人差し指当てて、『しー』ってやるの。口で言えば分かるって!」
「そんなんどーでもいいじゃん。ガキどもに黙れって怒鳴るのも、結構疲れるぜい」
「だからさ、話し合いしたの!」
「は?」
「さっきの学級会で、『先生のどこがイヤだ』って話し合いしたの!」
「へぇ」
「でさ!その『しー』ってヤツもやめて、って言ったの!」
「君らは小姑か」
「?」
「いや、知らないならいいや」
「そしたらね、『自分のにも悪いところ悪いところはあったと思う』って言ったのさ」
「へえ、そりゃすごい。フツー、いい年した大人はガキに頭なんぞ下げねえからな」
「・・・センセイは絶対下げないでしょ」
「そうりゃもう!すべての権限と能力を駆使して、ガキどもなんぞねじ伏せてやるわい」
「ひどーい」
「それが大人ってもんだ。だから、そう言える先生はすごいと思うよ」
「でもさ!」
「はあ」
「その後、ビデオ観たのね」
「へえ」
「そしたらまた教室騒がしくなって、そしたら先生また口に指当てて『しー』って」
「あー、クセなんだね。クセってのはそう簡単に・・・」
「さっきもうやらないって言ったばっかりなのに!」
「それがクセってもんだろ?」
「でもさ、さっき言ったば」
「じゃあね、お伺いしますがね?」
「はい」
「君は、親御さんに注意されたことはないかい?」
「?」
「お年頃の女の子が、大股開いて椅子に座るな!って」
「!(慌てて座りなおし、スカートを直す)」
「はい、このように、人のクセや習慣なんてのはそう簡単に変わらないのでゴザイマス。自分でできないようなことを、人ができないからって怒るんですかぁ?どれだけ偉いお方なんですか、貴方様は?」
「ぐぎゅ、言うことが一々腹立つ!」
「うん、そうなるように言ってるからね!能力のすべてを傾けて」
「うー」
「好き嫌いはしゃーないけどさ、イヤならテキトーに距離おきな」
「・・・はーい。部活行きまーす」
「バイバーイ、またねー」
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無題
2008/07/28(Mon)15:43
ちょこちょこと日記見てましたが
相変わらず面白いですねー(´ω`)笑
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