塾の教室にはエアコンが設置されているのだけど、構造上なのか、単純に人数が多いからなのか、あんまり効いてない。
いやまあ、もっと全開で運転させることも可能だけれども、そうするとエアコンのそばにいる人が体調を崩しかねないので、ちょっと抑え目にしているのだ。
で、私と、担当している中3のグループはエアコンの恩恵をあまり受けられない位置にいる。
更に言うと、冬は冬で暖房機の恩恵もあまり受けられずに、寒い。
かてて加えて、一番最初に酸素不足の症状を示す位置なのである。ラカニトの呪文でもかけられてるみたい。
こうして書いてみるとひどい場所だな。
同じ教室なのに、こうも環境が違うともう、笑うしかない。
で、最近は学習時間に扇子を持ち込むことにしている。
生徒さんたちとは集中の度合いが桁違いなので、ちょっと油断するとあっという間に汗だくになってしまう。この場合、私が無駄に汗っかきだとか、標準体重を大幅に超えてるとか、そういった件には意図的に目をつぶる。…つぶって下さい。
時々ぱたぱたと顔をあおいで冷まさなきゃ、生徒さんのテキストに汗染みを作ってしまうことになりかねない。
余談だが、学部生だったときの恩師がいつも持ち歩かれていたので、扇子こそが心理屋である証なのではないかと思ったりしてコトあるごとに主張してみるのだが誰も同意してくれないのは寂しいことであるなあ。
でだ。
今日も手が空いたときにぱたぱたあおいでいた。
となりに座った生徒に「見せて」と言われた。図柄に興味を持ったらしい。
「んー。猫と犬、かー」
「いやいや、虎と龍だから!」
「あ、そうなの?」
「まあ、虎は猫科だけどさ。こんなニョロニョロした犬はいないよ」
その生徒の更にとなりに座ってた女子生徒が、我々の手元を覗き込みながら言った。
「えー?ミニチュアダックスが進化したんじゃないのー?ポケモンみたいにさー」
ええと、違うんだ。
龍ってのはそういうものじゃないんだ。
仕方が無いので、手短に龍についての講義をした。
蛇が龍になるまでの段階と、鯉が滝を登ることで龍になる(登竜門、ってヤツですな)の説明。
…しまった。東西の龍に対する考え方の違いを説明するの、忘れた!
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