夏休み明けに行われる、英文暗記テストの予行練習をした。
間違った文章は最低5回以上の書き取りを課す。
生徒たちは、一問でも書き取りを減らそうと必死である。
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「センセ、これ、内容おんなじだけど別な書き方してるの、OK?」
「うーん、いつもならいいんだけどね。こういうのって、先生が出した課題どおりに書かないとダメ、ってことが多いから、諦めて少しでも練習しときな」
「ちくしょう、××先生(英語担任)めー。殺してやるー」
逆恨みもいいとこである。
「そんなことぐらいで人殺すのかい」
「うん」
気楽だな、おい。
「いやさ、誰かを殺すってことはさ、あなたのこれからの人生すべてを引き換えにするんだよ。いいの?」
「いいんだー!」
受験生とは、かくも投げやりなものである。
「ばっかだなー。人生なんて、これからが楽しいんだよ?」
辺りの雰囲気が変った。
あれ?
「先生が言うと、全然楽しそうじゃないよ!」
「うそ臭い」
「信用できない」
担当してる6人中3人ぐらいに一斉に否定された。
おっかしーなー。
オレ、人生楽しく生きてるんだけどなー。
あれー?
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