久しぶりに、とあるラーメン屋に行った。
この北国でも徐々に広まりつつある、博多風って言うのかな?まるでソーメンみたいに細い麺で、とんこつのスープでいただくやつ。のびるのを防ぐため、大盛りはナシ。代わりに「替え玉」って頼むともう一人前麺だけ茹でて、残ったスープの中に放り込んでくれる。そんなタイプのお店。
疲れたり風邪かな?って思った時に行って、追加でニンニクつぶして入れると覿面元気になれるんですが。
いつもと同じもの食べてるのに、あんまり旨くないなー、なんでかなー、そこまで体調悪いのかなー、とか益体もないことをつらつら考えながら食べてたところ。
がちゃっ
「いらっしゃいませー!」
数人の客が入ってきた。
飯時からはずれてるとはいえ、それなりに人気店なんだろうな。
男性数人連れらしい。
そのうちの一人が、大声でこんなことを言った。
「マスター!××めんって、これ
普通のラーメンなの?」
・・・鼻から麺出るかと思いました。
ええと。
たぶん、「普通」って北海道風の、やや太めの黄色い縮れ麺のことを言いたいのだと思うけど。
ここは博多風ラーメンの専門店で、看板にもそう書いてあるし。
それが嫌なら来なきゃいいわけだし。
内心どう思ってるかは言わなきゃ分らんのだから、苦手だけど付き合いで入らにゃならんのなら、こっそり「太麺」選べばいいのに。メニューに書いてあるだろ?もしかして文盲?
言うに事欠いて「普通」て。
博多じゃこれが普通だし、普通じゃないってことは異常だってことかい?
どんだけ中華主義なんだか。
言われたら嫌な思いするんじゃないか、って想像はしないのかなあ。
店員さん、一瞬返事に困ってました。
そらそうだろう。そのあとちゃんと説明してたのには頭が下がる思いでしたが。
連れがまた痛々しかった。
一生懸命店員さんに、~もいいですね、~もおいしいんですよね、と話しかけながらトッピングを追加する。券売機でチケット買って、それを渡せばその通りのものが出てくるんだから、グダグダ言わずともいハズなのに。
あー、気を使ってるのねー。
姿が見えないので声だけで想像すると、さっきの「普通」って言い放った人よりは若いんじゃないかな。
店を出る際、その人たちの座るテーブルを横目で見た。
どの人が「普通」の人か、すぐに想像がついた。
3人連れで、年長の一人だけひと際偉そうな態度で座ってんだもん。まる分かりですがな。
作業服来てたし、駐車場に設備屋のバンが停まってたから、まあそういう業種の人なんだろう。
大企業はどうだか知らないけど、中小、零細企業にはあんなオッサン、ごろごろしてるんだろうな。
島田荘司の日本人論じゃないが、あんなに威張ってたら絶対モテないし、当り前のレベルの尊敬の念さえ向けられることもないだろうね。で、満たされない自尊心―それがどれだけ薄っぺらでも―をどうにかしようと、また威張る、と。
傍迷惑な悪循環ですこと。
あんなオッサンにはなりたくないな。
そして、あんなオッサンの下で働かざるを得ない境遇でなくて、本当によかった。
新年度からの暮らしがどうなるか、全くわからない不安はあっても、さ。
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